1.出会い
それにしても、この手のコミュニティというのは出会いを求めるやつはかなり多い。
都合上、性別の登録を女にしている管理も、コミュニティに参加した瞬間にたくさんの男からメッセージの嵐が巻き起こった。
こりゃ世の女性は相当苦労しているな、と思いつつも全部スルー。
どうせ数打てば当たると思っているような安い男たちばかりだろう。
と、ここで勘違いをして欲しくないのは、別に管理はネット上で出会うことに対して否定的なわけではない。
出会うキッカケというのは些細なことでも構わない。
そこから相手がどのような人物なのかを知り、その上で恋愛が始まるのであれば、キッカケなど何の問題があるだろうか。
しかし、このような見ず知らずの人にいきなりメッセージを送るような不躾な男たち、言うなれば女なら誰でも良いといった態度の連中は正直気持ち悪い。
いわゆる下半身脳ってやつなのだろうが、是非自重してもらいたいものだ。
などと、言い訳がましいことを書き連ねたが、どこがどうなってのことか、件の「招待してください」の女性と付き合うことになったのである。
そこでその女性について少し語ろうと思うのだが、その女性、仮にRさんとしましょう。
Rさんはバツイチの子持ち、どちらかと言うと美人の部類に入るのではないかと言う感じで趣味は華道と女らしい一面もある。
付き合う前は母の日のフラワーアレンジメントを作ってもらったこともあった。
招待やら何やらの関係でメールを返したり、返事を貰ったりとやり取りをするうちに仲良くなっていったのだが、まさか付き合うことになるとは思わなかった。
偏見かもしれないが、子持ちの人と付き合うのはおそらく両親には反対されるだろうし、世の印象もよくないところも少なからずあるだろう。
実際、管理の姉は管理に向かって
「あんた絶対、子持ちとは付き合わなそう。」
などと言われ冷や汗が流れたこともあった。
ただ、楽観的な話になるが、その子供も可愛く思えたし、世間が思うよりは相手が子持ちでもうまくやっていけるものだと思っている。
もちろん、何の問題もないわけではないだろう。
知らない男の血を半分受け継いでいる子どもに対して拒否反応を起こす人もいるだろうし、養うことに抵抗がある人も少なくはないだろう。
だけど、やはり相手との相性さえよければ、お互いに理解し合える仲であればきっとうまくやっていけると当時は思っていたし、今でもそう思う。
青臭いようだけど。
そう、あくまで「理解し合える仲」ならばうまくいっていたのだろう。
彼女、Rさんは俗に言うトラブルメーカーだったのである。
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