2.失敗の始まり


Rさんはいわゆる「何かと戦っていたい人」だった。

敵がいることに快感を覚える、「戦っている自分に酔っちゃう人」である。

なんせ本人も、理想のタイプは

「困難に一緒に立ち向かう人」

らしい。

聞こえはよいが、その後の説明で

「そのためには敵を作って立ち向かっていく。」

というようなことをほのめかしていた。

それはちょっとおかしいのでは・・・

と、思いつつも、あばたもえくぼってやつですかね、当時は違和感を軽く受け流していました。

あなたの周りにもこんな性格の人が1人くらいいるのではないでしょうか。

管理の同級生にはいました。今、殺人未遂でムショの中ですが。

この性格は大なり小なり、なんらかの問題を起こすようです。

まぁ、敵を自ら作っているから当然といえばそれまでなのだけど。

そんなわけでRさんも例外ではなく、いくつか問題を起こしてくれました。

それはある日のことでした。

管理のサイトはそれなりにたくさんの人が閲覧しているのですが、中にはちょっと頭の足りない人が、サイト内の文章を無断転載して自分で書いた文章と偽ったりすることも割とあるのです。

そりゃあイラッときますね、その手の無断転載は。

面倒な思いをして、気持ち悪い男の相手をして、頭捻って文章考えて、手打ちでタグ入れて、やっとサイトに掲載する、その工程にかかる時間は1つの文章で10時間くらい越えることもザラです。

それをものの数分で、「コピー→貼り付け→俺が書いたんだよ」ですからね、そりゃ怒るわ。

そんな足りない人たちに腹を立てていたとき、またしても無断転載されていたと読者から報告がありました。

今度の無断転載は、「自分が書いた」とは偽っていないものの、まるまるコピー。

某コミュニティサイトの個人スペースの小説機能とやらに載せているようです。

サイトの方にも無断転載禁止と書いているのですが目に入らなかったようですね。

たまに勘違いされる方がいますが、紹介程度に一部抜粋したり、URL載せたりするのは全く構いません。

むしろ、ありがたいくらいです。

ですが、全部コピーされると存在意義がなくなってしまいます。

そんな状態じゃ文章書くなんてやっていられません。

「また無断転載だわ。」

彼女に愚痴る管理。これが失敗の始まりだったのかもしれない。

しばらくしてから無断転載をしていた人のところを見てみると、Rさんが荒い口調で文句を言っていました。

「失敗の始まり」なんて書くと、この行動を非難しているようですが感謝しましたよ。

自分のために怒ってくれる彼女、たとえそれが敵を作りたい気質から来たものだとしても嬉しかった。

それに対して無断転載をした本人、まさかの暴言返し。

その人のハンドルネームこそどこぞのアニメから持ってきた名前だったくせに

「オタクうざい」

のようなことを返していたと思う。なんてヤツだ。

無断転載に対する反省のなさと、彼女に対する暴言、この2つで管理も大人気なく怒ってしまいました。

本当にこういった手段は良くないのですが、いわゆる晒しといいますか、この無断転載の人、仮にH氏としましょうか、そのH氏を叩く内容の文章を書き、サイトに掲載しました。

この手段は自分自身凄く嫌いなのですが、ちょっと痛い目に遭わせないとこいつは反省しないなと思い大公開しました。

結果、当然のごとく多くの読者がH氏のスペースに出撃してくれました。

しかし、これまた当然のごとく、祭りを楽しむように面白半分で荒らしまくるやつもいました。

こうなるのも分かっていたからなるべく取りたくない手段だったのですが仕方ない。

しかし、思った以上の影響力でそれはもうあちらこちらに飛び火しまくりました。

その被害は、最初に荒い口調で文句を言ったRさんにも矛先が向かいました。

結構ひどいことを言われたようです。

勝気な性格のRさんはすっかり凹んでしまったようで、

「勝手なことしてごめんなさい・・・」

と謝られました。

こっちこそ読者をあおる真似をして面目ない気持ちなので謝り返したり電話して慰めたりしました。

なんでもRさん、これで嫌われてフラれると思ったらしい。

確かに今回のことは「こりゃ困ったなぁ」と思った部分もたくさんあったけど、前述した通り自分のことを思ってしてくれたわけで、それで切り捨てる気なんてとても起こりませんでした。

その後、事態はなんとか収拾はしたものの、思った以上に骨が折れました。

まず、H氏に、大事にしたことを謝り、Rさんに対して謝罪して欲しい旨を伝えたら、途中でかなりごねられましたがH氏も最終的には謝罪してくれました。

もともと、「俺が書いた」系の無断転載ではなかったので、そこまで大事にするものではなかったのだけど、彼女が暴言吐かれたことなどから大きくしてしまいましたのでね、無断転載についてはそこまで追求しないようにしました。

H氏との和解はそんなに手間ではなかったのです。

むしろ、問題はH氏よりもその友人にありました。

この友人殿が、これまた「好戦的」な方でして、H氏を守りたい一心か、荒らしている人たち相手に

「文句があるならかかってこい!」

といわんばかりの挑発。

結果、その人のスペースも荒らされまくりでした。

自分で挑発しといて、管理には

「止めてください!」

とメッセージを送ってくる友人殿。あんた煽っといてそりゃねぇよ・・・

そう思いながらも自分のスペースで

「協力してくれてありがとう。だけどもう相手も謝ってくれたしこれ以上の荒らし行為はやめてください。」

と呼びかけました。すると、ほとんどの荒らしが下火となってだいぶ落ち着きました。 が、しかし、再び友人殿からのメッセージが。

「私のところの荒らしもおさまらないので1人1人注意してください。」

はっきり言ってこの人は自業自得。

自分から荒らしを煽っておいて尻拭いまで全部させようなんてムシが良すぎる。

ちょっとイラッとしつつムシが良すぎるだけに無視しました。

ああ、親父ギャグをすみませんね。

この人もまた、「敵を作るのが大好き」ゆえに厄介ごとを増やしたのだから、敵を自ら増やすようなことはするべきではないよね。

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