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村に戻った赤ずきん


さてはて、今回ご紹介するのはこれですね。



村に戻った赤ずきん・・・

今度は村長が

全部飲んだごほうびや




ってなキャッチフレーズが書いてありますが、

なるほど、文面から察するに、赤ずきんちゃんの続編ですな。

赤ずきんちゃんの話はもう、みなさんもご存知ですよね。

狼に食べられたおばあさんと赤ずきんを猟師が助けるといった猟師ヒーローファンタジー、その続編です。

前作での主役はご存知、2人を無事助けた猟師さんですが、今作の主人公はそう、





村長です。





見出しにも書いてありますよね。



今度は村長が



ってね。今度は村長が主役です。

ところで皆さん、狼のおなかから2人は救出されたわけですが、2人とも無事とはどういうことなのか疑問に思ったことはありませんか?

消化はされなかったのか?狼は2人もの人間を噛まずに丸呑みにしたのか?

さまざまな疑問が残りますね。

そう、狼の体内の消化液によって、決して無事ではなかったのです。

おばあさんは、丸呑みされたあと、如何にそこを脱出するか考えていました。

いかに丸呑みといえど、強力な消化液にそう長時間耐えられるものではありません。

狼のおなかの中でも比較的、消化液の少ないところで避難してじっと耐えながら作戦を練っていました。

しかし、ついていないことに、その直後に赤ずきんが飲まれてきたわけです。

消化液の少ないところにさけていたおばあさん、しかし2人分も入るとお腹はさすがにぎゅうぎゅう。

消化液を避けれるだけのスペースはなくなってしまいました。

しかし、おばあさんは可愛い孫娘を守るために、赤ずきんを抱きしめ、赤ずきんを襲う消化液の盾となりました。

背中の皮膚は焼け、ただれていくも、おばあさんは必死で耐えます。

そうこうするうちに猟師が助けてくれたのですが、おばあさんは瀕死の重傷でした。

村に戻って医者に看てもらったものの、手の施しようがないほど。

「おばあちゃん、あたしのせいで・・・」

自分を責める赤ずきん。

しかし、医者の一言に希望の光がさします。

「死の山にある幻の薬草を持ってこれれば或いは・・・」

しかし、死の山は女の子ひとりで登るには険しく、魔物もでます。

その実力は、一番弱い魔物でも狼100匹を30秒で殺せるほどです。

狼1匹にあれほど苦戦していた赤ずきんにはとても厳しい話です。

それでも、おばあさんを助けようと意を決した赤ずきんは危険を顧みず死の山に向かいます。

それを見かねた村長、

「ワシも一緒に行こう」

と、ついてきてくれました。

この村長、絵からもわかるようになかなかの巨漢。

そう、実はこの村長は柔道部出身でその実力はオリンピック出場手前まで行ったほどの腕前。

魔物を次々とちぎっては投げ、ちぎっては投げ、時に三角締めなどでしめおとし、なんとか2人は死の山の頂上まで到達しました。

山頂に輝く幻の薬草、それを摘もうとした瞬間!

死の山の番人、ウイングドラゴンが上空から急降下し赤ずきんに襲い掛かります。

とっさに村長がウイングドラゴンの尻尾をつかみ一本背負いを食らわせます。

「今のうちに早く薬草を!」

村長の叫びに、ハッと気がついた赤ずきんは薬草へ走ります。

ウイングドラゴンは、一本背負いをされて頭にきたのか炎のブレスを村長に吐きかけます。

「村長!!」

赤ずきんは思わず叫びましたが、村長はその炎を華麗に前まわり受身でよけ、一言。

「まかせんしゃい!」

と、笑顔を赤ずきんに見せました。

再び走り、幻の薬草を入手した赤ずきん。

急いで村長のもとへ戻ると、村長がウイングドラゴンを横四方固めで押さえ込み、とどめをさしていました。

こうして無事、幻の薬草を入手でき、山へ降りようとしたときでした。

最後の力を振り絞ってウイングドラゴンが村長に向かって炎の弾を吐いたのです。

「あぶない!」

とっさに村長に体当たりをして助ける赤ずきん。

しかし、掠めた炎の弾が薬草を燃やし尽くしてしまいました。

「あぁ、薬草が・・・」

おばあさんを助ける手立てがもうなくなってしまいました。

「すまない、ワシを助けるために・・・」

村長はそう謝罪しましたが赤ずきんは

「ううん、村長さんがいなければここまでこれなかったし、村長さんは悪くないです。」

と、涙を我慢して言いました。

「とにかくここにいては危ない、一度村に戻ろう。」

と、二人は村に戻りました。

村につくと、もうおばあさんは虫の息です。

助けれなかったことを悔やむ赤ずきん。

しかしここで泣いてしまうと村長さんにも罪の意識を植え付けてしまうのではないかと思うと優しい赤ずきんはぐっと涙をこらえました。

村長は、赤ずきんとおばあさんを見て、じっと何かを悩んでいるようでしたが、ふと赤ずきんにいいました。

「ワシのために涙を飲んで悲しみを堪えてくれたんやな・・・」

そっと赤ずきんの頭を撫で、続けます。

「1滴の涙もこぼさずに・・・」

すると、みるみるうちに村長の体が光り輝いていきました。



「涙を・・・全部飲んだごほうびや!」



そういうと、おばあさんに向かって手をかざし、村長の体からあふれる光を発射しました。

光を放たれたおばあさんの傷はみるみるうちに治っていきます。

それを見た医者は

「村長、だめです!その技を使うとあなたの命が!」

と、必死に止めますが村長は

「なぁに、先立った妻がそろそろ恋しくてね・・・おばあちゃんを大事にするんだよ、赤ずきん。」

と、優しく微笑みました。

村長の体の光が徐々に弱くなり、最後に消えたとき、おばあさんの傷はすっかり治っていました。

村長が、その生命すべてをおばあさんに与え、助けてくれたのです。

「村長さん!村長さん!」

一生懸命に声をかける赤ずきんでしたが、村長が目を覚ますことはありませんでした。

しかし、村長の顔は満足げに微笑んでいました。



その晩、赤ずきんは夢を見ました。

亡くなった奥さんと穏やかに散歩する村長が、微笑みかけてくれました。

「おばあさんを大事にするんだよ。」

そういって村長は奥さんと手をつなぎ、光のかなたへと歩いていきました。

赤ずきんはいつまでもいつまでも、村長に手を振っていました。



おわり。





ってな感じの感動的なストーリーでしょう。

いやぁ、粋な村長ですね。

涙あり、冒険ありのファンタジー世界、皆さんも是非、読んでみてはいかがでしょうか。




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